私がテーマにしているCore adjustmentで固有受容感覚の統合するという施術目標があります。
固有受容感覚の統合とは、筋肉や関節から送られてくる「体の位置・動き・力の入り具合」に関する情報を、脳がうまくまとめて処理し、スムーズな動作や姿勢の維持につなげることを指します。
固有受容感覚は、
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目を閉じていても腕の位置がわかる
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どれくらいの力で物を持てばよいか調整できる
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姿勢を無意識に保てる
といった働きを支えています。
筋肉・腱・関節の受容器(筋紡錘や腱紡錘など)が刺激を感知し、その情報が脳に送られます。
「統合」とは、感覚情報を脳が整理し、適切な行動に結びつけることです。
例えば:
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鉛筆を強く握りすぎずに書く
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暗い部屋でも歩ける
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コップをちょうどよい力で持てる
これらは、固有受容感覚がうまく統合されているからこそ可能です。
特に発達段階の子どもにおいては、
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力加減が極端(強すぎる/弱すぎる)
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姿勢が崩れやすい
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よく転ぶ
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体の動きがぎこちない
といった様子が見られることがあります。
これは「感覚統合(Sensory Integration)」の視点で説明されることがあります。
この理論を提唱したのが、アメリカの作業療法士である A. Jean Ayres です。彼女は、感覚の働きが学習や行動の土台になっていると考えました。
固有受容感覚は、実はとても重要な“土台の感覚”なのです。
この話は、決して子どもだけのものではありません。
スポーツをしている方なら、
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ボールをちょうどよい強さで投げる
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姿勢を安定させる
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素早く方向転換する
といった動きの中で、固有受容感覚が活躍しています。
また、長時間のデスクワークで姿勢が崩れやすい方も、体の感覚に意識を向けることで改善につながることがあります。
固有受容感覚の統合とは、
「自分の体の状態を正しく感じ取り、それをもとに自然に調整できる力」
です。
実は、この“自然に調整できる力”こそが、身体の中心軸を整える土台になります。
体幹が安定し、余分な力みが抜け、必要な筋肉が必要なタイミングで働く――その状態は、単に鍛えるだけでは生まれません。
まずは「感じ取れること」。
そして「正しく統合されること」。
その先にあるのが、身体の芯から整えるアプローチ――
Core Adjustment(コア・アジャストメント)という考え方です。
固有受容感覚を高め、統合を促すことは、
表面的な姿勢矯正ではなく、“内側から整う身体”への第一歩になります。
もし今、姿勢や体の使い方に違和感を感じているなら、
それは身体からの小さなサインかもしれません。
感覚に目を向けること。
それが、Core Adjustmentへの入り口になります。
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