三月。
暦の上では春を迎え、光はやわらぎ、風はどこか甘くなります。けれど体はまだ冬の名残を抱え、心もまた、環境の変化に揺れやすい時季です。
卒業や異動、新しい始まり。
期待と不安が入り混じるこの季節は、知らず知らずのうちに「気」を消耗しています。
■春は「肝」をいたわる
東洋医学では、春は「肝(かん)」の働きが活発になる季節とされます。
肝は「気」の巡りを司り、感情とも深く関わります。
イライラしやすい
目が疲れる
筋肉がこわばる
眠りが浅い
こうした不調は、春特有の気の高ぶりからくることもあります。
三月の養生の鍵は、
“ゆるめること” と “巡らせること”。
① 朝の光を浴びる
春の朝日は、体内時計を整え、気の巡りを促します。
少し早起きをして、窓を開け、深呼吸を三回。
冷たい空気の中に、ほのかな春の匂いが混じる瞬間。
それだけで、心がほどけていきます。
② 旬の青いものをいただく
春は、芽吹きの季節。
少し苦みのある山菜や青菜は、滞りがちな気を巡らせてくれます。
菜の花
春キャベツ
ふきのとう
せり
おひたしや和え物にして、やさしい味でいただきましょう。
「少しほろ苦い」が、春の体にはちょうどよいのです。
③ 頑張りすぎない
三月は「整える月」。
新しいことを始める前に、まずは余白を作ること。
予定を詰めすぎない
夜更かしをしない
湯船にゆっくり浸かる
特別なことをしなくても、
“いつもより少し丁寧に暮らす” だけで、体は応えてくれます。
梅が咲き、やがて桜へと移ろう三月。
自然は急がず、けれど確かに前へ進みます。
私たちもまた、焦らずに。
冬の殻をゆっくり脱ぎながら、自分の歩幅で春を迎えましょう。
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