「あるがままでいい。」
この言葉は、どこか安心を与えてくれる響きがあります。
頑張れない日も、うまくいかない日も、そんな自分をそのまま認めていいのだと思える言葉です。
私も、この考え方はとても大切だと思っています。
けれど最近は、この言葉を少しだけ丁寧に考えるようになりました。
なぜなら、
「あるがままでいい」と
「ありのままでいい」は、少し違う意味を持っていると感じるからです。
たとえば、
・不安になる
・イライラする
・落ち込む
・やる気が出ない
こうした感情は、誰にでも起こる自然なものです。
東洋医学でも、人の心や体は常に揺らぎながらバランスを取っていると考えます。
ですから、
「今、不安なんだな」
「今日は少し疲れているな」
と、自分の状態をそのまま認めることはとても大切です。
これが「あるがまま」です。
けれど、
「不安だから何もしない」
「疲れているから全部投げてしまう」
というように、感情にすべてを任せてしまうと、少し違う方向に進んでしまうことがあります。
臨床心理の世界には、森田理論という考え方があります。
そこでは「あるがまま」という言葉がとても大切にされています。
森田理論では、
不安があってもいい。
緊張してもいい。
落ち込む日があってもいい。
そうした感情を無理になくそうとせず、そのまま認めます。
けれど同時に、
やるべきことは淡々とやる
という姿勢を大切にします。
つまり、
感情はあるがまま。
行動は自分で選ぶ。
という考え方です。
人は、弱さも持っていますが、同時に前に進もうとする力も持っています。
落ち込む自分も自分。
頑張ろうとする自分も自分。
どちらも大切な一部です。
私は、「あるがまま」という言葉は、ゴールではなく出発点だと思っています。
今の自分の状態を認める。
そのうえで、
「では、どう過ごそうか」
「どう整えていこうか」
と考えること。
そこに少しずつ変化や回復が生まれていくのではないかと思っています。
私たちは感情そのものではありません。
感情を抱えながら、それでも歩んでいく存在です。
だからこそ、
あるがままでいい。
でも、ありのままに流されなくていい。
そのバランスを、私自身も日々大切にしています。
そして施術の現場でも、
身体と心の状態を一緒に見ながら、無理のない形で整えていくお手伝いができればと思っています。
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