こんにちは、SATO針灸整体です。
本日は、膝のお皿のすぐ下が痛む方に向けて、「膝蓋下脂肪体炎(しつがいかしぼうたいえん)」という疾患について解説します。
🔍 膝蓋下脂肪体炎とは?
膝の前には「膝蓋下脂肪体」というクッションのような脂肪組織があります。
この脂肪体が、繰り返しの屈伸動作や外的ストレスによって炎症を起こすと、膝の前下部に痛みや腫れが生じるのが「膝蓋下脂肪体炎」です。
💡 こんな症状、ありませんか?
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膝のお皿の下側を押すと痛い
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膝を伸ばすと痛みが強くなる
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階段の下り・しゃがむ動作がつらい
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正座や膝立ちで違和感がある
これらの症状がある方は、膝蓋下脂肪体炎の可能性があります。
🩺 診断方法について
整形外科などでは、以下の方法で診断されます。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 視診・触診 | 膝蓋骨の下を押して痛みが出る「圧痛(あっつう)」を確認 |
| Hoffaテスト | 仰向けで膝を伸ばした状態で、膝蓋骨下部を左右から押さえて痛みが出るかを調べる |
| MRI検査 | 脂肪体の炎症・腫れの有無、他の疾患との鑑別 |
※X線では脂肪体は写らないため、詳しく見るにはMRIが有効です。
🧧 東洋医学の見解と鍼灸のアプローチ
東洋医学では、膝の痛みは以下のような内因的なバランスの乱れによって起こると考えます。
| タイプ | 症状・背景 | 対応 |
|---|---|---|
| 寒湿(かんしつ) | 冷えや湿気で巡りが悪くなる | 温灸・温熱療法で改善 |
| 瘀血(おけつ) | 血流の滞りによる慢性的な痛み | 鍼灸・活血薬の併用 |
| 気滞血瘀(きたいけつお) | ストレスや疲労による巡りの悪さ | 自律神経調整も含めた施術 |
鍼灸施術では…
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患部の炎症軽減
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筋膜や滑膜へのアプローチ
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全身調整による自然治癒力の向上
を目的とした施術を行います。
🏠 ご自宅でできるセルフケア
| 方法 | ポイント |
|---|---|
| 温湿布・カイロ | 膝蓋骨の下部を軽く温めて血流を促進 |
| 大腿四頭筋ストレッチ | 太ももの柔軟性を高めて膝の負担軽減 |
| 正座・膝立ち・しゃがみ込みの回避 | 炎症部位への圧迫を防ぐ |
| 姿勢改善 | 猫背・骨盤の歪みも膝に影響を与える |
🗣 鍼灸師からのメッセージ
膝蓋下脂肪体炎は、放っておくと慢性化してしまうこともある疾患です。
特に、スポーツ愛好家や立ち仕事の方、高齢者に多くみられます。
「ただの膝の疲れだろう」と思って放置せず、早めの診断と、東洋・西洋を組み合わせたケアを行うことが大切です。
痛みを我慢する生活から、しっかり向き合う予防と回復の生活へ。
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