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身体のコラム

なぜ“疲れ”は取れないの? 〜東洋医学と西洋医学の視点から体の声を読み解く〜

「しっかり寝ているのに疲れが抜けない」
「休んでも、休んだ気がしない」
そんなお悩みを抱える方が、現代では非常に増えています。

実は“疲れ”は、単に肉体的な問題だけでなく、「心」「内臓」「気血」のバランスなど、さまざまな要因が複雑に絡んでいます。

■ 西洋医学の視点

疲労には2種類ある

  1. 肉体的疲労:筋肉やエネルギーの消耗により、体が重だるくなる状態。

  2. 精神的疲労:脳の使いすぎやストレスによる神経系の疲れ。集中力や意欲の低下を伴います。

現代人に多いのは「精神的疲労+慢性的な炎症・自律神経の乱れ」が複合した慢性疲労状態
血液検査などで明確な異常が出ないため「異常なし」と言われがちですが、症状は確かに存在します。

■ 東洋医学の視点

「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスがカギ

東洋医学では、疲れを「気(エネルギー)の不足」や「脾(消化系)の弱り」などとしてとらえます。

  • 気虚(ききょ):元気が出ない、すぐ疲れる、声が小さい

  • 血虚(けっきょ):めまい、不眠、肌や髪の乾燥

  • 脾虚(ひきょ):食後に眠くなる、胃がもたれる、やせ型

  • 肝鬱(かんうつ):ストレスにより「気」が滞り、疲れやすくなる

疲労は「単なる疲れ」ではなく、体のサインであり、放置すると慢性病へとつながる可能性もあります。

■ セルフケアと養生のすすめ

1. “食”で疲れを癒す:薬膳の知恵

  • 気を補う食材:山芋、かぼちゃ、もち米、鶏肉

  • 血を養う食材:黒ごま、クコの実、ほうれん草、レバー

  • 脾をいたわる食材:米、大豆、生姜、なつめ

例えば、「鶏肉と山芋のおかゆ」は、脾胃を温めつつ気を補う、疲れにやさしい一品です。

2. 呼吸と姿勢を意識する

  • 胸を開く深呼吸で、自律神経を整えます。

  • デスクワークの多い方は、1時間に一度は立ち上がって軽く背伸びをしましょう。

3. 「ゆるく過ごす日」を意識的に作る

東洋医学では「休む」ことも養生の一部。
完全にオフになる日を週1回でもつくると、体が自然と修復モードに入ります。

4. 冷えを避ける

“冷えは万病のもと”という言葉があるように、冷たい飲み物や薄着は体力を奪います。
腹巻や温かい白湯を取り入れるだけでも大きな違いがあります。

■ 最後に:体の声に耳を傾けて

疲れは、体の「これ以上がんばらないで」というサイン。
無理を続ければ、気血が枯れ、免疫も落ち、うつや慢性疾患にもつながりかねません。

小さな疲れのうちに気づき、生活を整えることが、未来の健康を守る第一歩です。

佐藤香織|鍼灸師

2008年より施術の世界へ。

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