はじめに
「朝になると体がだるくて起きられない」「立つとフラフラして気分が悪い」「学校に行けない日が続く」——。
それは単なる“甘え”ではなく、子どもに多い身体の病気「起立性調節障害(OD)」かもしれません。
このページでは、小学生・中学生に増えているODの症状や原因、家庭でできること、医療のサポート方法についてわかりやすく解説します。
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ODとは?
OD(起立性調節障害)は、立ち上がったときに血圧や心拍数の調整がうまくいかず、脳に血が回りにくくなる病気です。
主に思春期(10〜15歳)頃に多く見られ、女の子にやや多い傾向があります。
よくある症状
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朝がとてもつらく、なかなか起きられない
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立ち上がると、めまいや立ちくらみがある
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心臓がドキドキしたり、気分が悪くなる
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午前中はしんどいけれど、午後になると少し元気になる
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頭痛やお腹の痛みをよく訴える
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学校に行けない日が続く
どうしてなるの?
ODは、成長期の体に起こりやすい“自律神経のバランスのくずれ”が原因です。
思春期は、身長が急に伸びたり、ホルモンのバランスが変わったりして、体が大人に近づいていく途中で自律神経が不安定になりやすい時期です。
また、ストレス・家庭環境・学校生活の変化なども、症状を悪化させる原因になります。
どうやって診断するの?
医療機関(小児科や心療内科)で、「新起立試験」という検査を行い、
立ったときの血圧や心拍数の変化を測定して診断します。
治療と家庭でできること
✔︎ 生活習慣の改善(基本)
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早寝・早起きの習慣をつける(夜ふかしに注意)
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朝ごはんをしっかり食べる
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水分(1日1.5〜2L)と塩分(味噌汁・梅干しなど)をしっかりとる
✔︎ 軽い運動・体力づくり
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長く立つのではなく、座ってできる体操やストレッチから始めましょう
✔︎ ストレスのケア
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話をよく聞き、「甘え」「怠け」などと責めず、本人のつらさを信じて支える姿勢が大切です
✔︎ 医療での対応
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症状が強いときは、薬を使って血圧を安定させる治療もあります(例:ミドドリンなど)
鍼灸やリラクゼーションでもサポートできます
✔︎ 鍼灸
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自律神経を整えるツボを刺激することで、血流や睡眠の改善、気持ちの落ち着きが期待できます
✔︎ リラクゼーション
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アロマオイルややさしいマッサージで、緊張や不安をやわらげるサポートができます
※医療の代わりではなく、補助的な役割として使います。信頼できる施術者に相談してください。
【チェックリスト】気になる症状がある方へ
以下のような症状が4つ以上当てはまる場合は、ODの可能性があります:
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☐ 朝が起きにくく、午前中は体がつらい
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☐ めまい・立ちくらみ・失神
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☐ ドキドキしたり、ふらつくことがある
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☐ 学校に行けない・体調不良で欠席がち
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☐ 頭痛・腹痛がよくある
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☐ 気分が落ち込みやすい・不安が強い
⇒ 医療機関での相談をおすすめします。
おわりに
起立性調節障害は、成長途中の体と心に起こりやすい病気です。
周囲の理解とサポートがあれば、多くの場合、成長とともに回復していきます。
サポートは心身ともに大変だと考えますが、焦らず、怒らず、お子さんの“いま”の状態を信じて支えてあげてください。
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