ほうれい線(法令線)は、鼻の脇から口角にかけて斜めに伸びる深いシワで、見た目年齢に大きく影響します。以下では、東洋医学と西洋医学の両方の観点から、原因、予防、治療法を詳しく解説します。
■ 原因
▶ 西洋医学の観点
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加齢による皮膚のたるみと弾力の低下
コラーゲンやエラスチンの減少で皮膚がハリを失い、シワが定着します。 -
頬の脂肪の下垂
中顔面のボリュームが落ちることで、線が目立つようになります。 -
表情筋の衰え
特に大頬骨筋、小頬骨筋の機能低下により、支えが弱くなります。 -
骨格の変化(上顎骨の萎縮)
骨の支えがなくなることで、皮膚が垂れ下がる原因に。
▶ 東洋医学の観点
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「脾虚(ひきょ)」による気の不足
脾は筋肉や皮膚の張りに関係し、機能が低下するとたるみが起きます。 -
「腎虚(じんきょ)」による老化現象
腎は生命エネルギーを司る臓で、衰えると老化が進みます。 -
気血の巡りの滞り
顔への栄養が十分に届かず、肌の潤いやハリが減少。 -
ストレスや感情の乱れ
「肝」の気が滞ると血の巡りも悪くなり、肌状態が悪化します。
■ 予防法
▶ 西洋医学的アプローチ
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表情筋エクササイズ:あいうえお体操、口角アップ運動
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保湿と紫外線対策:乾燥と紫外線は老化を加速
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バランスの良い栄養摂取:ビタミンC、E、コラーゲン、亜鉛など
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正しい姿勢の維持:猫背は頬のたるみを招きます
▶ 東洋医学的アプローチ
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食養生(補脾・補腎)
山芋、黒豆、くるみ、ナツメなどが効果的 -
ツボ刺激
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【迎香(げいこう)】…小鼻の横、ほうれい線に直接効果
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【承漿(しょうしょう)】…口元のリフトアップに
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【足三里(あしさんり)】…全身の気血を高める
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気功や太極拳で気血の巡りを整える
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良質な睡眠とストレス管理
■ 治療法
▶ 西洋医学的治療法
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ヒアルロン酸注射:シワを物理的に埋める
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ボトックス注射:周囲の筋肉のバランスを整える
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スレッドリフト(糸リフト):頬全体を物理的に引き上げ
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HIFU・RF(高周波)・レーザー:コラーゲン再生促進
▶ 東洋医学的治療法
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美容鍼(美顔鍼):顔のツボや筋肉を刺激し、肌再生とリフトアップ
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漢方薬
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「補中益気湯」…脾を強化し気を高める
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「六味地黄丸」…腎の機能を補って老化予防
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お灸やカッピング:全身の血流促進とデトックス効果
■ まとめ
ほうれい線の対策には、「表面的なシワの治療」だけでなく、「体質改善」や「生活習慣の見直し」が不可欠です。西洋医学は短期的・局所的治療に強く、東洋医学は体全体の調整による長期的効果が期待できます。両者の良い部分を組み合わせることで、より健康的で美しい肌を保てます。
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