口内炎は、口の中の粘膜に炎症や潰瘍ができる状態を指し、痛みや不快感を伴うことが多いです。ここでは、東洋医学と西洋医学の両方の観点から、口内炎の原因、種類、治療法を詳しく解説いたします。
■ 口内炎の主な種類
▶ 西洋医学の分類
-
アフタ性口内炎
最も一般的。白っぽい潰瘍ができ、痛みを伴う。 -
ウイルス性口内炎
単純ヘルペスウイルスなどによる。水疱や発熱を伴うことが多い。 -
カンジダ性口内炎
免疫力低下や抗生物質使用により発生。白い苔状の病変が特徴。 -
外傷性口内炎
入れ歯、歯ブラシ、咬傷などの刺激が原因。 -
アレルギー性・薬剤性口内炎
特定の薬や食品による刺激で発生。
■ 原因
▶ 西洋医学の観点
-
栄養不足(ビタミンB2、鉄、亜鉛など)
-
ストレスや過労
-
睡眠不足・免疫低下
-
ウイルス・細菌感染
-
アレルギー反応や薬剤副作用
▶ 東洋医学の観点
-
「胃熱」:辛い物・脂っこい物・アルコールの摂り過ぎで熱が上に上昇し、口に炎症を生む。
-
「心火」:心の過労やイライラが原因で火(熱)が上昇し、舌や口内に炎症が出る。
-
「陰虚」:体液不足により、粘膜が乾燥して炎症が起きやすくなる。
-
「脾胃虚弱」:消化吸収の低下により栄養不足となり、粘膜の再生がうまくいかない。
■ 治療法
▶ 西洋医学的治療法
-
ステロイド軟膏や抗炎症薬(ケナログ、アフタゾロンなど)
-
殺菌作用のあるうがい薬(イソジン、アズレン)
-
ビタミンB群やCのサプリメント
-
抗ウイルス薬(アシクロビルなど、ウイルス性の場合)
-
口腔ケアの徹底(歯磨き、洗口剤)
▶ 東洋医学的治療法
-
漢方薬による体質改善
-
「黄連解毒湯」…胃熱・心火を抑える
-
「知柏地黄丸」…陰虚による炎症を抑える
-
「半夏瀉心湯」…脾胃の不調を整える
-
-
食養生
-
苦味のある野菜(ゴーヤ、セロリ)で熱を冷ます
-
白キクラゲ、梨、ハチミツで粘膜の潤いを補う
-
-
ツボ療法
-
【合谷】(手の甲):炎症や痛み全般に
-
【内庭】(足の第2・3指の間):胃熱を抑える
-
-
鍼灸:体の熱を下げる・気血の巡りを整える
■ 予防法
▶ 西洋医学的アドバイス
-
栄養バランスの良い食事(特にビタミンB群)
-
睡眠・休養を十分に取る
-
歯磨きやうがいで口内の清潔を保つ
-
ストレスの管理
▶ 東洋医学的アドバイス
-
食べすぎ・飲みすぎを控える(特に辛・脂・酒)
-
イライラや思い悩みを避けて「心の熱」を鎮める
-
冷たいものの摂りすぎによる「脾の冷え」も要注意
-
季節に応じた体調管理(特に夏は胃熱が強まりやすい)
■ まとめ
口内炎は一見軽い症状に見えますが、体の内側のバランスの乱れを反映していることが多く、繰り返す場合は根本的な体質改善が必要です。西洋医学は即効的な症状の軽減に優れ、東洋医学は再発予防と体質改善に強みがあります。
コメント