東京都五反田の女性専用SATO針灸整体

WEB予約
電話予約
公式LINE
Instagram
BLOG
東洋医学

東洋医学における更年期障害の概念と治療法

更年期障害は、「腎(じん)」の衰えと気血(きけつ)の乱れが原因と考えられます。東洋医学では、更年期を単なるホルモンバランスの変化ではなく、「体全体のエネルギーの変化とバランスの乱れ」として捉えます。

特に、腎・肝・脾の機能低下が影響し、ホットフラッシュ、冷え、不眠、イライラ、めまいなどの症状が現れます。


1. 東洋医学における更年期障害の主な原因

① 腎虚(じんきょ) – 腎のエネルギー不足

東洋医学では「腎(じん)」が生命エネルギーの源とされ、更年期に腎の衰えが進むことで様々な症状が現れます。

🔹 特徴的な症状:

  • のぼせ、ほてり、ホットフラッシュ(特に夜間)

  • 冷えやすい、疲れやすい

  • 耳鳴り、めまい、物忘れ

  • 腰や膝の痛み、骨密度の低下

🔹 主な原因:

  • 加齢による腎精(じんせい)の減少

  • 過労や睡眠不足

  • 生殖機能の低下(特に閉経後)

🔹 治療法:

  • 腎を補う食べ物を摂る(補腎)

    • 黒ゴマ、黒豆、くるみ、ナツメ、山芋

    • ウナギ、エビ、豚骨スープ

  • 腎を温める(温かい飲み物・入浴・カイロ)

  • 腎を補う漢方薬

    • 六味地黄丸(ろくみじおうがん)

    • 八味地黄丸(はちみじおうがん)


② 肝気鬱結(かんきうっけつ) – ストレスによる気の滞り

更年期はホルモンバランスの乱れだけでなく、ストレスや環境の変化によって肝の気が滞ることで、情緒不安定になりやすくなります。

🔹 特徴的な症状:

  • イライラ、怒りっぽい、不安感

  • 抑うつ気分、涙もろい

  • 喉の詰まり感、ため息が多い

  • 胃の不調、食欲不振、膨満感

🔹 主な原因:

  • ホルモンバランスの変化

  • ストレス、家族関係の変化

  • 肝の気の巡りが悪くなる

🔹 治療法:

  • ストレスを和らげる食べ物を摂る

    • 柑橘類(レモン・グレープフルーツ)

    • 香味野菜(シソ・パクチー・ミント)

    • ハーブティー(カモミール・ラベンダー)

  • 肝の気を巡らせるツボ押し

    • 「太衝(たいしょう)」足の甲にあるツボ(リラックス効果)

    • 「百会(ひゃくえ)」頭頂部にあるツボ(気を整える)

  • 肝の気を巡らせる漢方薬

    • 加味逍遙散(かみしょうようさん)


③ 気血両虚(きけつりょうきょ) – 気と血の不足

閉経後、血(けつ)の生成が減少し、気も不足しやすくなります。その結果、疲れやすくなったり、めまいや立ちくらみが起こります。

🔹 特徴的な症状:

  • 疲れやすい、気力が出ない

  • めまい、立ちくらみ

  • 顔色が青白い、乾燥肌、髪がパサつく

  • 動悸、不眠、夢をよく見る

🔹 主な原因:

  • 食事の栄養不足

  • 血液の循環不良(瘀血)

  • 長年のストレスや消耗

🔹 治療法:

  • 血を補う食べ物を摂る(補血)

    • レバー、ほうれん草、プルーン、クコの実

    • ナツメ、大豆、黒豆

  • 気を補う食べ物を摂る(補気)

    • 玄米、山芋、大豆

  • 血を補う漢方薬

    • 四物湯(しもつとう)


④ 瘀血(おけつ) – 血の巡りが悪い

ホルモンの変化で血流が悪くなり、「瘀血(おけつ)」という血の滞りが起こります。

🔹 特徴的な症状:

  • 頭痛、肩こり、冷え性

  • しみ・くすみ・肌荒れ

  • 関節痛、こわばり

  • 月経不順、経血が黒っぽい

🔹 主な原因:

  • 運動不足

  • 冷え(血流が悪くなる)

  • 長年のストレス

🔹 治療法:

  • 血行を良くする食べ物を摂る(活血)

    • 生姜、シナモン、黒酢、にんにく

    • 青魚(サバ・イワシ)

  • お風呂にしっかり入る(温熱療法)

  • 血行を良くする漢方薬

    • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)


2. 東洋医学的な更年期障害の治療法

① 鍼灸(しんきゅう)

  • ホットフラッシュ・のぼせ:「三陰交(さんいんこう)」

  • 不眠・ストレス:「百会(ひゃくえ)」「神門(しんもん)」

  • 腰痛・疲れ:「腎兪(じんゆ)」「太谿(たいけい)」

② 漢方薬

  • 腎虚タイプ:六味地黄丸、八味地黄丸

  • 肝気鬱結タイプ:加味逍遙散

  • 気血両虚タイプ:四物湯、補中益気湯

  • 瘀血タイプ:桂枝茯苓丸

※漢方は専門の薬剤師や医師の相談して処方してもらいましょう。

③ 生活習慣の改善

  • ストレスを減らす(趣味やリラックス法を取り入れる)

  • 冷え対策(カイロ・温かい飲み物)

  • 適度な運動(ウォーキング・ヨガ)


まとめ

更年期障害は、腎の衰え、肝の気滞、気血の不足、瘀血の滞りが原因となることが多いです。症状に応じて、食事・鍼灸・漢方薬・生活改善を組み合わせることで、より快適な更年期を過ごすことができます。

佐藤香織

【鍼灸師/鍼灸専門学校の教員資格保有/薬膳アドバイザー/セミナー講師】 2007年より施術の世界へ。冷え性、自律神経、運動器疾患、小児の治療など様々な疾患に対応いたします。

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連記事

  1. 難聴の分類や治療方法について詳しく解説
  2. 東洋医学における腹診(ふくしん)について詳しく解説
  3. 春の養生方法について詳しく解説!
  4. サーキュレーターを買い足して、院内に風の流れをつけています
  5. フィリピン式足ツボ療法「ダグダガイ」
  6. 鍼灸治療における電気パルス(電気鍼)の効果・効能について詳しく解説
PAGE TOP