古来より日本や中国の家庭で自然療法・民間療法として親しまれてきた、非常にシンプルで効果的な養生法の一つです。
■ 第一大根湯とは?
第一大根湯は、大根と梅干し、しょうゆ(あるいは醤油と生姜)などを用いた、昔ながらの自然療法的な飲み物です。特に毒消し(デトックス)や風邪の初期、消化促進、体の冷え改善に効果があるとされ、薬膳・マクロビオティックの分野でもよく使われています。
■ 効果・効能(薬膳的観点)
✅ 1. 解毒作用(デトックス)
大根にはジアスターゼなどの酵素が豊富で、消化を助け、体内の毒素や老廃物を排出する働きがあります。
✅ 2. 風邪の初期症状の改善
発熱・のどの痛み・鼻づまりなど、風邪のひきはじめに有効とされています。体を温め、免疫力を高める効果が期待できます。
✅ 3. 消化促進・胃腸の調子を整える
胃もたれや食欲不振のときに。大根の酵素が消化を助けます。
✅ 4. 血液浄化・体質改善
梅干しのアルカリ成分と大根の酵素が、血液を中和・浄化する作用があるといわれています。
✅ 5. 冷え性や体のだるさの緩和
生姜を加えることで、身体を内側から温める効果がアップします。
■ 歴史と背景
「第一大根湯」という名前は、桜沢如一(さくらざわ・ゆきかず)氏(1893-1966)が提唱したマクロビオティック(自然食・正食)の理論の中で登場しました。桜沢氏は、食養生を通じた自己治癒力の回復を説いており、この第一大根湯はその代表的なレシピとされています。
マクロビオティックでは、体の「陰陽」のバランスを整えることが重要とされており、第一大根湯は陽性の毒素を中和し排出する「解毒の湯」として位置づけられています。
■ 基本的なレシピ
材料(1人分)
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大根おろし:大さじ3〜5(約1/4本分)
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梅干し:1個(無添加のもの)
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醤油:小さじ1(または適量)
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3年番茶またはお湯:約150〜200ml
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(お好みで生姜汁を少量加えてもOK)

私はショウガを必ず入れます!チューブの物よりも生をすりおろすほうが発汗量が多くなります。
3年番茶は以下の理由から、陰にも陽にも偏らず、バランスのとれた中庸のお茶とされています。
・カフェインが少ない → 陽性が強くない
・体を冷やしすぎない → 陰性が強くない
・熟成された自然な味わい → エネルギーが穏やかで安定
・葉と茎の両方を使う → 陰陽のバランスが整う
このように、3年番茶は日常的に飲んでも体に負担がなく、心身を整える中庸の飲み物として、マクロビオティックや薬膳の世界で重宝されています。
作り方
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大根をすりおろし、軽く水気を切る(完全に絞らなくてもよい)。
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湯呑やカップに梅干しを入れ、箸などで軽く潰す。
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大根おろしと醤油を加える。
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熱湯を注ぎ、全体をよく混ぜて完成。
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できれば空腹時か就寝前にゆっくり飲む。
※ 飲んだ後は、毛布などで体を温かく保ち、汗をかくと効果的です。
■ 飲用時の注意点
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空腹時に飲むのが最も効果的です。
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風邪の初期や、身体が重い・だるいと感じるときにおすすめ。
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毎日飲む必要はありません。体調に合わせて、時々の使用が基本です。
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腎臓が弱い方や、塩分制限がある方は醤油の量を控えるなど調整が必要です。
■ まとめ
第一大根湯は、非常にシンプルながら、体内環境を整える力が高い自然療法です。現代人が抱えがちな「食べ過ぎ・冷え・ストレス・排毒不足」といった状態をリセットするための、やさしい手助けとなります。
ぜひご自身の体調や季節の変わり目に合わせて、取り入れてみてくださいね。
参考文献:
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桜沢如一『ゼン・マクロビオティック』
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陰陽調和料理研究会『マクロビオティック健康法』
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日本薬膳学会資料
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