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東洋医学

東洋医学で言われる気虚証について詳しく解説!

気虚証(ききょしょう)は東洋医学、特に中医学(中国伝統医学)において非常に重要な概念です。以下に、気虚証の定義、原因、主な症状、診断のポイント、そして治療法について詳しく解説します。

併せてお読みください↓

気虚証とは?

気虚証とは、「気(き)」が不足している状態を意味します。
東洋医学における「気」は、生命活動を支えるエネルギーのようなもので、体を動かし、温め、防衛し、臓腑の働きを促進するなど、さまざまな役割を果たします。

気が不足すると、体全体の機能が弱まり、疲れやすい、息切れ、食欲不振、免疫力低下などの不調が現れます。


 主な原因

  1. 先天的体質の弱さ
     → 生まれつき体が弱い人は気を作る力が乏しい

  2. 長期間の病気や過労
     → 病気や過労、睡眠不足により、気を消耗し補えなくなる

  3. 食生活の乱れ
     → 消化器系(特に脾胃)が弱り、気を生成できなくなる

  4. 老化
     → 年齢とともに気の生成・運行能力が衰える


 主な症状

症状カテゴリ 具体的な症状
全身症状 疲れやすい、倦怠感、だるさ、動作が緩慢
呼吸器系 息切れ、話すと疲れる、声が小さい
消化器系 食欲不振、軟便、下痢
精神面 無気力、集中力の低下、不安感
その他 顔色が白い、汗をかきやすい(自汗)

診断のポイント

東洋医学の診察法「四診」(望診・聞診・問診・切診)を通じて診断されます:

  • 舌診:舌が淡い色(淡紅または淡白)、舌苔が少なめ

  • 脈診:脈が虚弱で力がない(虚脈)


よく見られる気虚のタイプ

  1. 肺気虚
     → 咳、息切れ、風邪をひきやすい

  2. 脾気虚
     → 食欲不振、下痢、疲労

  3. 心気虚
     → 動悸、不眠、精神疲労

  4. 腎気虚
     → 老化現象、耳鳴り、腰痛、尿のトラブル


治療法(補気)

気虚の治療は「補気(ほき)」といって、気を補い、元気をつけることが中心になります。

漢方薬の例:

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):代表的な補気剤

  • 六君子湯(りっくんしとう):胃腸虚弱に使われる

  • 人参湯(にんじんとう):極度の衰弱時に使用

食事療法:

  • 積極的に摂りたい食材:
     山芋、もち米、にんじん、しいたけ、かぼちゃ、鶏肉、なつめ、蜂蜜

  • 避けた方が良いもの:
     生もの、冷たいもの、油っぽいもの、甘すぎるもの


生活のアドバイス

  • 規則正しい生活

  • 十分な睡眠

  • 過労を避ける

  • 軽い運動(気功、太極拳など)


📚 参考文献:

  • 『中医診断学』人民衛生出版社

  • 『漢方医学大辞典』医歯薬出版

佐藤香織

【鍼灸師/鍼灸専門学校の教員資格保有/薬膳アドバイザー/セミナー講師】 2007年より施術の世界へ。冷え性、自律神経、運動器疾患、小児の治療など様々な疾患に対応いたします。

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