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東洋医学

東洋医学で考える突発性難聴

「突発性(とっぱつせい)」という概念は、症状が急に現れることを意味しますが、その背景にある「原因」や「体の見方」は、東洋医学と西洋医学で大きく異なります。以下で、両者の違いを詳しくご説明します。

こちらもお読みください↓


西洋医学における「突発性」

 基本の捉え方:

西洋医学では、突発性の症状は「急性症状(Acute symptoms)」として扱われます。これは、突然の発症で、比較的短期間に進行する状態を指します。

例:

  • 突発性難聴

  • 突発性発疹

  • 突発性めまい(前庭神経炎など)

原因の捉え方:

西洋医学は基本的に「病原体・外傷・循環・神経系のトラブル」など、明確な物理的・化学的原因を特定しようとします。

治療:

  • 原因を検査(血液検査・CT・MRIなど)

  • 投薬(抗ウイルス薬、ステロイド、抗生剤など)

  • 必要に応じて手術などの物理的治療


東洋医学における「突発性」

基本の捉え方:

東洋医学では、「突発性」は体内の「気・血・水」の乱れが、外的または内的な要因によって急激に表面化したものと見なします。

「突発性」は外因・内因の反映

外因:風・寒・湿・熱などの自然界の邪気

  • 例:風邪(ふうじゃ)が体内に入ると、風が動きをもたらし「突然の発疹や頭痛」を引き起こす

内因:怒・喜・思・憂・悲・恐・驚 などの七情(しちじょう)

  • 例:極度の怒りやストレスによる「肝気(かんき)の鬱結」で、突発性難聴やめまいが起こる

東洋医学の治療方針:

  • 弁証論治(べんしょうろんち):症状の背後にある体質・気血の状態を見極める

  • 針灸・漢方・生活習慣の調整

    • 漢方例:突発性難聴には「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」や「八味地黄丸(はちみじおうがん)」が使われることも

    • 鍼灸:耳周り、頭部、肝経のツボなどを調整


具体例で比較:突発性難聴の場合

視点 西洋医学 東洋医学
原因 ウイルス感染・血流障害・自己免疫など 肝気の停滞、気血の不足、風熱の侵入など
検査 聴力検査・MRI・血液検査 舌診・脈診・問診(冷え・ストレス状況など)
治療 ステロイド投与・血流改善薬など 漢方薬・鍼灸・食養生
時間の意識 発症から早期に対応が重要 発症初期に「気血のめぐり」を良くする治療

総まとめ

特徴 西洋医学 東洋医学
視点 ミクロ的・原因追及型 マクロ的・全体調和型
対象 器官・組織・細胞レベルでの異常 気・血・水のバランス、体質、生活背景
突発性の考え方 明確な「外的要因(病原・損傷)」を特定 外的・内的要因の複合と体内の失調が原因
治療法 薬物・手術など即効性を重視 体質改善・自然治癒力の促進を重視

補足:両医学の統合的アプローチも増加中

最近では、「突発性難聴」「突発性めまい」などの症状に対して、西洋医学で急性期の処置を行い、その後に東洋医学的なアプローチ(漢方や鍼灸)を併用するケースも増えています。これにより、再発防止や体質改善にもつながる可能性が高いとされています。


🌐参考:

  • 日本東洋医学会「突発性疾患に対する東洋医学的アプローチ」

  • 日本耳鼻咽喉科学会「突発性難聴 診療ガイドライン(2020年版)」

佐藤香織

【鍼灸師/鍼灸専門学校の教員資格保有/薬膳アドバイザー/セミナー講師】 2007年より施術の世界へ。冷え性、自律神経、運動器疾患、小児の治療など様々な疾患に対応いたします。

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