東京都五反田の女性専用SATO針灸整体

WEB予約
電話予約
公式LINE
Instagram
BLOG
東洋医学

東洋医学における肩こりの概念と治療法

肩こりは東洋医学では、気血(きけつ)の巡りが悪くなり、経絡(けいらく)の流れが滞ることで生じると考えられます。現代医学では「筋肉の緊張や血行不良」が主な原因とされますが、東洋医学では**「五臓六腑の不調」「ストレス」「冷え」「瘀血(おけつ)」**など、全身のバランスの乱れが影響していると考えます。


1. 東洋医学における肩こりの主な原因

① 気滞血瘀(きたいけつお) – 気と血の滞り

ストレスや疲労によって気(エネルギー)の流れが滞ると、血の巡りも悪くなり、肩こりが生じます。特に、長時間の同じ姿勢や運動不足があると、血流が悪化し「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血の滞りが発生します。

🔹 特徴的な症状:

  • 肩や首の張り感、コリが強い

  • 動かすと痛い、こわばる

  • 押すと痛い部分がある(トリガーポイント)

  • 頭痛やめまいを伴うこともある

🔹 主な原因:

  • 長時間のデスクワークやスマホの使用

  • 運動不足や血行不良

  • ストレスや精神的な緊張

🔹 治療法:

  • 血流を良くする食べ物を摂る(活血)

    • 生姜、シナモン、黒酢、にんにく

    • 青魚(サバ・イワシ)

  • お風呂で温める(血流促進)

  • ツボ押し(肩井(けんせい)、合谷(ごうこく))


② 肝気鬱結(かんきうっけつ) – ストレスによる気の滞り

「肝(かん)」は気の流れをコントロールする臓器ですが、ストレスが多いと肝の働きが低下し、気の巡りが悪くなります。その結果、肩こりや首のこりが生じやすくなります。

🔹 特徴的な症状:

  • ストレスがたまると肩がこる

  • イライラしやすい、不安感がある

  • ため息が多い、胃がもたれる

  • 肩の張りがひどくなると頭痛が起こる

🔹 主な原因:

  • 精神的ストレス、イライラ

  • 長時間の緊張状態(仕事・人間関係)

🔹 治療法:

  • リラックス効果のある食べ物を摂る(疏肝理気)

    • 柑橘類(レモン・グレープフルーツ)

    • 香味野菜(シソ・パクチー・ミント)

    • ハーブティー(カモミール・ラベンダー)

  • 肝の気を巡らせるツボ押し

    • 「太衝(たいしょう)」足の甲にあるツボ(ストレス緩和)

    • 「百会(ひゃくえ)」頭頂部のツボ(気を整える)

  • ストレス解消(軽い運動・深呼吸)


③ 気血両虚(きけつりょうきょ) – 気と血の不足

気や血が不足すると、筋肉や組織に十分な栄養が行き渡らず、肩こりが生じやすくなります。特に、女性に多く見られるタイプです。

🔹 特徴的な症状:

  • 肩が重く、だるい感じがする

  • 疲れやすい、息切れしやすい

  • 顔色が青白い、めまいがする

  • 髪がパサつく、爪がもろい

🔹 主な原因:

  • 栄養不足、食事の偏り

  • 貧血や血流の低下

🔹 治療法:

  • 血を補う食べ物を摂る(補血)

    • レバー、ほうれん草、プルーン、クコの実

    • ナツメ、大豆、黒豆

  • 気を補う食べ物を摂る(補気)

    • 玄米、山芋、大豆

  • 血を補う漢方薬(四物湯、補中益気湯)


④ 寒湿(かんしつ) – 冷えや湿気による肩こり

寒さや湿気が体に入ると、気血の巡りが悪くなり、肩がこわばって痛みが生じます。特に、冷え性の人や寒い季節に多く見られます。

🔹 特徴的な症状:

  • 寒いと肩がこる、痛みが悪化する

  • 湿気の多い日は肩が重だるい

  • 関節がこわばる、むくみがある

🔹 主な原因:

  • 冷えた環境に長時間いる

  • 湿気の多い場所に住んでいる

🔹 治療法:

  • 体を温める(温陽)

    • しょうが湯、紅茶、シナモンティー

    • お風呂に入る(特に肩まで浸かる)

  • 冷たい飲食を避ける

  • ツボ押しで温める(腎兪(じんゆ)、大椎(だいつい))


2. 東洋医学的な肩こりの治療法

① 鍼灸(しんきゅう)

🔹 肩こり全般に効果的なツボ

  • 肩井(けんせい)(肩の中央) → コリをほぐす

  • 天柱(てんちゅう)(首の後ろ) → 血流を改善

  • 合谷(ごうこく)(手の甲) → 気血の巡りを促進

② 漢方薬

  • 気滞血瘀タイプ:桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

  • 肝気鬱結タイプ:加味逍遙散(かみしょうようさん)

  • 気血両虚タイプ:四物湯(しもつとう)

  • 寒湿タイプ:独活寄生湯(どっかつきせいとう)

③ 生活習慣の改善

  • ストレスを減らす(趣味やリラックス法を取り入れる)

  • 肩を冷やさない(マフラー・温熱シート)

  • 適度な運動(ウォーキング・ヨガ・ストレッチ)


まとめ

東洋医学では、肩こりは気血の滞り、ストレス、冷え、気血不足などが原因で起こると考えられています。ツボ押し・食事・漢方薬・運動を組み合わせることで、肩こりを根本から改善することができます。

佐藤香織

【鍼灸師/鍼灸専門学校の教員資格保有/薬膳アドバイザー/セミナー講師】 2007年より施術の世界へ。冷え性、自律神経、運動器疾患、小児の治療など様々な疾患に対応いたします。

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連記事

  1. 吸い玉は瘀血を改善し、内臓を強くします【五反田/鍼灸/吸い玉】
  2. フィカスウンベラータの新芽
  3. 東洋医学における咳(咳嗽)の概念と種類 〜西洋医学との比較〜
  4. 【薬膳】柿は発熱や二日酔いに効果がある
  5. 東洋医学における肩こりの概念と治療法
  6. 春の養生方法について詳しく解説!
PAGE TOP