🌿 東洋医学における花粉症の考え方 🌿
東洋医学では、花粉症は**「外邪(がいじゃ)」である風邪(ふうじゃ)が体に侵入し、肺や脾、腎の機能が弱っていることで発症する」と考えられています。**
特に「肺(はい)・脾(ひ)・腎(じん)」の3つの臓器が関係し、これらの働きが弱ると、外邪(花粉)が体に入り込みやすくなり、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状が引き起こされます。
1. 花粉症の主な原因(東洋医学の視点)
① 肺気虚(はいききょ) – 肺のエネルギー不足
肺は東洋医学において「気(エネルギー)」を司る臓器であり、免疫機能や外邪(がいじゃ)から体を守るバリアの役割を果たしています。肺が弱ると、花粉に対する抵抗力が低下し、アレルギー症状が出やすくなります。
🔹 特徴的な症状:
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くしゃみ、鼻水が止まらない(特に朝方に多い)
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風邪をひきやすい
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声が弱々しい、喉が乾燥しやすい
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肌が乾燥しやすい
🔹 主な原因:
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先天的に肺が弱い(アレルギー体質)
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冷たい飲食物の摂りすぎ(肺を冷やす)
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過労やストレスによる免疫低下
🔹 治療法:
肺を強くする食べ物を摂る(補肺)
- 白い食品(大根、レンコン、長芋、豆腐)
- ハチミツ、ナツメ(肺を潤す)
呼吸を深くする(気功・ヨガ)
肺を補う漢方薬
- 玉屏風散(ぎょくへいふうさん) – 免疫力を高める
② 脾気虚(ひききょ) – 胃腸の機能低下
脾(ひ)と胃(い)は、気血(きけつ)を生み出す源とされ、これが不足すると免疫機能が低下し、アレルギー反応が起こりやすくなります。
🔹 特徴的な症状:
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透明で水っぽい鼻水が出る
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むくみやすい、体が重だるい
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胃腸が弱い(下痢しやすい)
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疲れやすい、食欲不振
🔹 主な原因:
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甘いもの・冷たいものの摂りすぎ(脾の働きを弱める)
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運動不足(気の巡りが悪くなる)
🔹 治療法:
脾を強くする食べ物を摂る(補脾)
- かぼちゃ、さつまいも、山芋、大豆
- 生姜、シナモン(胃腸を温める)
食生活を改善(冷たいものを避ける)
脾を補う漢方薬
- 六君子湯(りっくんしとう) – 胃腸を強くする
③ 腎虚(じんきょ) – 生命エネルギーの不足
腎(じん)は「精(せい)」という生命エネルギーを蓄える臓器であり、腎の力が弱まると、免疫力が低下し、アレルギー症状がひどくなることがあります。
🔹 特徴的な症状:
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慢性的な鼻づまり(特に夜間)
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寒さに弱い、冷え性
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疲れやすい、腰や膝がだるい
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夜間頻尿
🔹 主な原因:
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加齢(腎のエネルギーが減少)
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過労や睡眠不足
🔹 治療法:
腎を強くする食べ物を摂る(補腎)
- 黒ゴマ、黒豆、くるみ、ナツメ
- 山芋、シナモン(体を温める)
十分な休息をとる
腎を補う漢方薬
- 八味地黄丸(はちみじおうがん) – 体を温める
2. 東洋医学的な花粉症の治療法
① 鍼灸(しんきゅう)
東洋医学では、ツボを刺激することで気血の巡りを改善し、免疫力を高めることができます。
🔹 花粉症に効くツボ
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迎香(げいこう)(鼻の横) → 鼻づまりを解消
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合谷(ごうこく)(手の甲) → 免疫力アップ
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足三里(あしさんり)(膝下) → 胃腸を整える
② 漢方薬
東洋医学では、体質や症状に合わせた漢方薬を用いることで、花粉症を根本から改善します。
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肺気虚タイプ:玉屏風散(ぎょくへいふうさん)
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脾気虚タイプ:六君子湯(りっくんしとう)
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腎虚タイプ:八味地黄丸(はちみじおうがん)
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アレルギー症状が強い場合:小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
漢方薬は体質(証)に合わせた処方でないと効果を感じられません。
漢方に詳しい薬剤師または医師に相談することをお勧めいたします。
③ 食事療法(薬膳)
東洋医学では「食べ物が体を作る」という考え方があり、花粉症改善のための食事が推奨されています。
✅ 花粉症に良い食べ物
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肺を強くする:大根、レンコン、ナツメ
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胃腸を整える:かぼちゃ、山芋、発酵食品
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体を温める:生姜、シナモン、黒ゴマ
❌ 避けたほうが良い食べ物
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冷たいもの(アイス、ジュース)
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甘いものの摂りすぎ(お菓子、パン)
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刺激物(辛いもの、アルコール)
まとめ
東洋医学では、花粉症は「肺・脾・腎の機能低下が原因で、外邪(花粉)が侵入しやすくなることで発症する」と考えます。食事・鍼灸・漢方薬・ツボ押しなどを組み合わせて、体のバランスを整え、根本的な改善を目指します。

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