柑橘類(みかん、レモン、グレープフルーツ、ゆず、橙、シークワーサーなど)は、中医学(薬膳)において、気の巡りを良くし、消化を助け、ストレスを和らげる食材として使われます。香り高く、ビタミンCやクエン酸が豊富で、免疫力アップや疲労回復にも役立ちます。
1. 柑橘類の五性・五味・帰経
中医学では、食材を五性(寒・涼・平・温・熱)、五味(酸・苦・甘・辛・鹹)、そしてどの臓腑に作用するか(帰経)で分類します。
属性 | 柑橘類の特徴 |
---|---|
五性(寒熱性) | 涼性または平性(体の熱を冷ます) |
五味 | 酸・甘 |
帰経(影響を与える臓腑) | 肝・脾・胃・肺 |
🔹 涼性・平性 → 身体を適度に冷やし、熱を取り除く
🔹 酸味 → 収れん作用(汗や体液の過剰な排出を抑える)、気を引き締める
🔹 甘味 → 胃腸を整え、エネルギーを補う
2. 柑橘類の主な薬膳効果
① 気の巡りを良くし、ストレスを和らげる(理気解鬱)
- 柑橘類の香り成分(リモネン)は、気の巡りを良くし、ストレスやイライラを鎮める
- **肝気鬱結(かんきうっけつ:ストレスで気の流れが滞る状態)**の改善に役立つ
- 気分が落ち込みやすい人、緊張しやすい人におすすめ
② 消化を助け、胃腸を整える(健脾和胃)
- 消化促進作用があり、胃もたれや食欲不振を改善
- クエン酸が胃液の分泌を促し、消化を助ける
- みかんの皮(陳皮:ちんぴ)は、胃腸の働きを活性化する生薬としても使用される
③ 体内の老廃物を排出し、デトックス(清熱解毒・利尿)
- 体の余分な熱や毒素を排出する働きがある
- グレープフルーツやレモンは、むくみ改善や二日酔いの解消にも◎
- クエン酸が体内の老廃物を分解し、代謝を促進
④ 免疫力を高め、風邪予防(補気養肺)
- ビタミンCが豊富で、免疫力アップや風邪予防に効果的
- レモンやゆずは喉の炎症を鎮め、咳を和らげる
- 乾燥しやすい秋冬に特におすすめ
⑤ 血流を促し、冷えを改善(活血化瘀)
- 血流を良くし、手足の冷えや生理痛の緩和に役立つ
- グレープフルーツやみかんは、血管を広げる作用があり、冷えや肩こりの改善に◎
3. 柑橘類の種類別の特徴と薬膳効果
🍊 みかん(温州みかん)
- 帰経:脾・肺
- 効果:免疫力アップ、胃腸の調整、風邪予防
- みかんの皮(陳皮)は、消化促進や咳止めの効果がある
🍋 レモン
- 帰経:肝・胃
- 効果:疲労回復、デトックス、美肌
- クエン酸が多く、体内の老廃物を排出し、疲れをとる
🍊 グレープフルーツ
- 帰経:肝・胃
- 効果:脂肪燃焼、むくみ改善、ストレス解消
- ダイエットにもおすすめ(脂肪燃焼効果が高い)
🍊 ゆず
- 帰経:脾・肺
- 効果:冷え改善、風邪予防、血流促進
- ゆず湯にすると、体を温め、血行を良くする効果がある
🍊 シークワーサー
- 帰経:肝・胃
- 効果:抗酸化作用、血圧調整、ストレス解消
- ノビレチンという成分が、高血圧や動脈硬化の予防に役立つ
4. 柑橘類のおすすめ薬膳レシピ
① レモンとはちみつの温かいドリンク(補気養肺・風邪予防)
🔹 免疫力を高め、喉を潤すレシピ
- レモン + はちみつ + お湯(喉のケア・疲労回復)
② 陳皮(みかんの皮)と生姜の煎じ茶(健脾和胃・消化促進)
🔹 胃腸の調子を整え、冷えを改善
- 干したみかんの皮(陳皮)+ 生姜 + はちみつ
③ グレープフルーツとヨーグルト(活血化瘀・ダイエット)
🔹 血流を促し、脂肪燃焼を助ける
- グレープフルーツ + ヨーグルト + ナッツ
5. 食べる際の注意点(体質別のアドバイス)
✅ 向いている人(おすすめ)
- ストレスが多く、イライラしやすい人(肝気鬱結)
- 消化が弱く、胃もたれしやすい人(脾胃虚弱)
- 冷えやむくみが気になる人(瘀血・陽虚)
❌ 控えめにした方がよい人
- 胃が弱く、酸味に敏感な人(胃酸過多を悪化させる可能性)
- 冷えが強い人(特にグレープフルーツやレモンの摂りすぎに注意)
6. まとめ
🌿 柑橘類は、気を巡らせ、消化を助け、ストレスを和らげる食材!
🌿 ビタミンCやクエン酸が豊富で、免疫力アップや疲労回復に◎
🌿 胃腸の調整、デトックス、血流改善にも役立つ
🌿 体質に合わせて、温かい飲み物や料理に取り入れるとバランスが良い
日常の食生活に柑橘類を上手に取り入れ、心身ともにリフレッシュしましょう🍊✨
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