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東洋医学

細絡(さいらく)とは

私が、問診の際よく使用する言葉の一つに【細絡】という言葉があります。
※『肩甲骨の間に細絡がありますね~』など

細絡とは、体表に見える細かな血管です。

東洋医学では血液の流れの悪いところに現れる「未病」の状態とされています

ボコボコと浮き出るものではなく、蜘蛛の糸のように細かく色は紫だったり濃い赤色だったりします。

肩回りや腰部、足(膝や足首回り)などによく見られます。
※上記写真は足首回りです

細絡があるということは局所的に鬱血(血流が滞っている)していると考えられます。

肩まわりは肩こり、腰部は腰痛であったり生理痛等(骨盤内の血行不良)であったり、脚はむくみであったりと循環が悪いことがわかります。

そして、細絡があるということは、血管の状態が良くないのだと考えます。

五十肩や、へバーデン結節などの関節周りの痛みや疾患は血管の状態が悪いため痛みが出ているという研究報告もあります。

血管が悪いとは、血管の壁がもろくなっているということです。

なぜ脆くなるのか。

考えられる原因は【糖化】です。

血管が糖化するとは、血管のタンパク質(主にコラーゲンやエラスチン)が糖と結びついてAGEs(終末糖化産物)が蓄積し、血管の弾力性や機能が低下する現象を指します。

血管が糖化すると、血管が傷つきやすくなり出血しやすくなります。

そのため、筋肉が凝り固まったり、自律神経の乱れで血管運動に影響があると血流が滞り脆くなった血管を破壊して細絡となり体表に現れると考えています。

そういったところに鍼灸治療(主に鍼)すると、高確率で出血します。

東洋医学で考える【瘀血】です。

毛細血管は破壊と再生を繰り返します。

通常であれば、普通の毛細血管となりますが、糖化が進んでいる場合は【病的な機能しない血管】になるともいわれています。

この病的血管には神経が絡みつくらしく、これが過剰な痛みになっているようです。

鍼灸治療では、細絡のある部分に針や灸をして血行を促進させます。

そして細胞を傷つけることで細胞の生まれ変わりを促進させます。

治療後は細絡が減少している方が多いですが、完ぺきに消すことは難しいです。

血管の糖化が起きているということは、全身の血管の状態も考慮するべきですし、根本的に糖化してしまう食習慣も考えていかなければなりません。

東洋医学では、糖(甘味)は脾に属しますので、私は脾の問題も見ながら経絡を治療したりもします。

そのため、一見関係ないところに鍼灸をすることもあります。

細絡はめぐりが悪い状態であり、からだの糖化を診る指標にもなるのです。

 

コラムは私の経験や学びをもとに書いています。

こんな考え方もあるのだなとお読みいただけましたら幸いです。

 

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佐藤香織

【鍼灸師/鍼灸専門学校の教員資格保有/薬膳アドバイザー/セミナー講師】 2007年より施術の世界へ。冷え性、自律神経、運動器疾患、小児の治療など様々な疾患に対応いたします。

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