いつもありがとうございます。
東京都五反田にある女性と子供専用治療院、SATO針灸整体です。
東洋医学では、よく出てくる「気」という言葉。
しかし目には見えないため物資(概念)のため昔から、様々な論議がされてきています。
本日は、鍼灸師の私が東洋医学からみた「気」の話をさせていただきます。
気の定義
まずは、【気】の定義を書かせていただいています。
定義といっても見えないものですし、気を操る、気が見える云々はあくまでも個人の主観によるものですので、インターネット検索をかけて一般的に認知されている言葉を書いていきます。
「気とは何か」とGoogleで検索かけると・・
- 《名・造》
心の動き・状態・働きを総合して捉えたもの。精神。- 《名・造》
見えないとしても身のまわりに漂うと感ぜられるもの。- 口を出入りする息。呼吸。
- 四季の中の十五日間をまとめた期間。五日間を「候」と言い、その相継ぐ三候が気。
などと書いてあります。
Wikipediaでも、
気(簡: 气、繁: 氣 [ˈtʃiː] CHEE zh-qì.ogg qì)、また氣(き)とは、中国思想や道教や中医学(漢方医学)などの用語の一つ。一般的に気は不可視であり、流動的で運動し、作用をおこすとされている。しかし、気は凝固して可視的な物質となり、万物を構成する要素と定義する解釈もある。宇宙生成論や存在論でも論じられた。
Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97
不可視、すなわち【目には見えないもの】として書かれています。
併せて、中国の思想や中医学などの用語の一つと書かれています。
そうです、私のような鍼灸師にとって「気」とは身近な存在(言葉)であります。
気(き)は、日本の文化や思想でも重要な概念であり、多様な意味を持ちます。
以下に、気の概念についていくつかの側面を説明します。
生命エネルギーとしての気
日本の伝統的な考え方では、気は生命力やエネルギーを表すものとして捉えられます。身体や精神の活動、そして自然界の現象における活動に関連するとされています。
身体や心の状態を表す気
気は人や物事の状態や雰囲気を表す言葉としても用いられます。例えば、「彼の機嫌が悪い」というような場合、その人の気が悪いと言われます。
気の流れとバランス
日本の伝統的な医学や禅の考え方では、身体や心の健康は気の流れやバランスによってもたらされるとされています。気が滞ることで不調や病気が引き起こされると考えられ、気の流れを整えることが重要視されます。
陰陽思想との関連
気の概念は、陰陽思想と密接に関連しています。陰と陽の相互作用やバランスが重要視され、健康や幸福はその調和によってもたらされると考えられます。
気の修練と意識の鍛錬
修行や瞑想などの実践において、気の流れや調和を整えることが目指されます。気を集中させ、意識を高めることで、内なる平静や洞察が得られるとされています。
これらの要素から、気は日本の文化や思想において、生命の根源や調和の源として捉えられています。
鍼灸師が学校で学ぶ「気」とは
それでは、私が鍼灸学校で学んだ「気」についてまとめていきたいと思います。
気の生理作用とは?
気とは、人体を構成し、生命活動を維持する微細物質であり機能を示す言葉でもあります。
【物体】として考えられるとともに、気は絶え間なく運動していて、昇る・降りる・出る・入るという方向性があるとされています。
気の分類
人体における気は、その源や、機能の違いにより名称がつけられています。
- 先天の気
もともと持って生まれた気。腎に蓄えられている。生命活動の原動力。 - 後天の気
飲食物から生成される気。脾胃で作られる。 - 原気(元気)
人体の根本的な気。生命活動の原動力。源は先天の気としていて三焦を通って全身に分布する。
※三焦とは・・気と水の通り道で五臓六腑に送りだす働きがあります。 三焦は気と水の「通り道」を意味しており、上焦・中焦・下焦の3つに分けています。 - 宗気
後天の気のひとつ。飲食物から生成される気と、自然界の気が混ざり合い胸に集まる。呼吸と、心臓からの血液の拍出量を調整する働きがある。 - 営気
後天の気の一つ。豊かな栄養分を持ち、血液の中に入る。 - 衛気(えきと読む)
後天の気のひとつ。動きが早い気。全身にくまなく分布している。体表を気でまとい外邪の侵入を防いだり、汗のコントロールや身体を温める働きがある。
気の作用
気は以下の働きがあります。
- 成長発育を促進させる作用(推動作用)
- 身体を温める作用(温煦作用)
- 生理物質(血液や体液など)を体外に漏れ出ないするようにする作用(固摂作用)
- 外邪(風邪など)の侵入を防ぐ作用(防御作用)
- 新陳代謝を促進させる作用(気化作用)
- 栄養を送る作用
- 情報を伝達させる作用
ざっくりとまとめましたが、鍼灸学校の教科書にはこのようなことが書かれています!
まとめ
以上のように「気」とは目には見えないものですが、確実に私たちの周りに存在すると考えられます。
気に関しての概念は人によって違いますし、鍼灸師でも様々です。
しかし、日本でもたくさんの「気」という漢字が使用されるように、古来よりとても身近なものなのです。
元気がある、覇気がない、気の持ちよう等、私たちは普段から気という言葉を使っています!
目には見えないですが、「病は気から」というように、気の不調から病気になるといいます。
気に注目すると、身体のケアに対する考え方がまた違ってくるかもしれません。
風邪をひきやすくなったら→皮膚にある気が足りないのかな?など考えられると、体調管理のしかたがまた変わってきます。
次回は気の病理について書いていきます。
参考書籍:新版 東洋医学概論
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